コンクリート養生が激変する3M製品!ゼネコン勤務時にコレがあればと思った逸品 #3mjp


こんにちは、一級建築施工管理技士のゆたか(@goyutaka)です。

普段はブログで建築的な記事を書いていないのですが、建築技術者として日々活動しております。
今回は3Mさんの「第8回 ざ・3Mセミナー  ら・ら・ら♪インフラ、3M!」に参加してインフラ系製品について聞いて&体験してきましたよ。

その中でも私のココロを「ズキューン」と撃ち抜いたのは、コンクリート養生に関する製品です。


昨年2015年11月に発売されたこの製品が、私がゼネコン勤務時代にあれば・・・と感じた逸品です!

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床コンクリートに給水する凄いヤツ!

私のココロを撃ち抜いた3Mさんの製品ですが、その名も「コンクリート給水養生用 水搬送シート
建築や土木をやっている人であれば、この製品名だけで理解できると思います。

単純に言うとコンクリートは型枠に流し込んだ後、表面の硬化が始まったくらいから散水してコンクリートに「保湿」してあげることで、良いコンクリートが出来上がります。
水分が足りないと、下の写真の項目のような良くない要素が増えるのです。


実際に床コンクリート打設に私は散水養生を自ら行っていた訳ですが、これが果てしない・・・
撒いても撒いても蒸発していきますので。

一般的にはホースの先に芝生養生用の散水蛇口見たいので常に水を出しっ放しにしたり、毛布みたいな養生マットをコンクリートの上に敷いて散水してあげると、徐々にマットから染み出して湿潤状態が維持できるとかを今まではやっておりました。

このシートの凄いところを3つあげると

  1. 水を無駄にしない
  2. 労力を無駄に使わない
  3. 養生の状態が目視できる
という状態が実現します。

1番目は、散水していると必ず余計に流れでる水があって水道代も掛かりますし、基本コンクリートはアルカリ性ですので余計に溢れたアルカリ水が土中に流れだします。

2番目は、単純にホースで散水すると乾いてきたらまた散水というエンドレス作業。
私が若い時は土曜日にコンクリートを流して、翌日曜日は現場が休みなので誰もいないところで盛大に散水作業をする、という事を実践。
え、月曜日からは普通に作業ですが何か?という感じですかね。昔の事です。笑
何回も散水作業をしたり、水を含んだ重たい毛布などの重量物を移動させたりという手間がコレで改善!

3番目は、この製品は薄いシートなので水が運ばれている状態が目視できるので、適切かどうかが判断しやすいのです。
毛布の内側はわかりませんよね・・・


実験してみる!

という事で、「では実際にやってみましょう」と体験させていただきました。
まずは分かりやすいように色水で大判のシートにスポイトで水滴を垂らすと、ある一定方向に色水が流れていきます。


電子顕微鏡で見ると、色水の先端部分が徐々に進行していくのが見えるのです!
写真では写っておらず、スイマセン。


実際にシートはこのような構造になっているのです。
「毛細管現象」を利用して水が動くのです。


コンクリート養生に使用するには、この表裏を逆に使用する事で均一に水が搬送できるようになるのです!


では、より詳しく実験します。
シートは下の写真のように乳白色の半透明で、裏が若干透けて見えます。
ツルツルした面と若干ざらつく面があるので、ざらつく面を下にします。


セット完了!
給水ポイントから若干湾曲がついた橋のようにシートを掛けて、その先にはコンクリート版を置いてあります。


数分でコンクリートに湿り気が出始めて、給水され始めましたよ!


よく見ると筋状に水が進んでいるのがわかります。


薄くて軽いこのシートを敷き詰めて、適切に給水ポイントを設置すればあとは自動ですよ!
なんと、こんな製品欲しかった!


実際には震災復興工事で橋梁のコンクリート養生にすでに導入されて活躍しております!

ちなみに床面以外の壁などは別な製品の「コンクリート保水養生テープ」がすでに販売されておりますので、組み合わせることでより緻密なコンクリートを造ることができます。

3M!

今回セミナーを開催してくれた3Mさんですが、皆さんの身近な製品では「ポストイット」があります。
そんな万人に身近なものから、このようなインフラ製品まで数多くの役立つ製品を世に送り出しているのです。


この3Mジャパンさんは東日本大震災の復旧支援から東北プロジェクトを発足させ、現地に近い仙台支社を拠点として災害現場の課題を共有し作業担当者の安全を確保することから始まり、今現在は「インフラの長寿命化に貢献する」ことへステップアップし「国土強靭化プロジェクト本部」が設置され、新製品の開発が行われているようですね。


技術力の高さは驚くほどで、そのスタンスなど知れば知るほど3M製品が使いたくなりましたよ。

さいごに

ちなみに「コンクリート給水養生用 水搬送シート」は設計単価¥4,000/㎡という事で、一般小売はしておりませんが建材卸しさんから専門業者向けに発売中です。

なかなかイイ値段するシートですので、設計仕様書に盛り込まれて、最初から工事金額に含まれる事と養生期間が適正に取れる工期設定を望みますね。
施工現場の努力だけでは良い品物は造れませんので。

ちなみに、繰り返しの使用は5回程度ということですので、4F建てのRCやS造建築物なら1Fから4Fまでの床と屋上コンクリート打設後に使用して、最後に廃棄処分という流れが1回分ですね。
※地下ピットやペントハウス屋上は除外して書いております。

最近はインフラツーリズムというのが密かに流行っているようで、国土交通省のHPでも観光できるインフラ情報がありますので是非インフラ萌えの方もそうでない方もチェックしてみてください!
※参考「インフラツーリズム

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